[2000年11月の記事へ]
[ホームページへ]
[2000年のサブジェクト一覧へ]
[2001年1月の記事へ]
From: egi@sannet.ne.jp (Katsumi Egi)
Newsgroups: fj.rec.movies
Subject: Re: "カリスマ”のラストについて
Date: Fri, 1 Dec 2000 01:51:47 +0900 (JST)
惠木です。
In article <3A252FCD.BDA9A585@ceres.dti.ne.jp>, kwgch@ceres.dti.ne.jp says...
>
>こんばんは。フォローありがとうございます。
>
>Katsumi Egi さんが書き込みました :
>
>> >tuboi toshiyuki さんが書き込みました :
>>
>> >> 改行します
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>>
>> >>
>> >> よ
>> >> く
>> >> わ
>> >> か
>> >> ら
>> >> ん
>> >>
>
>
>
>
>
>
>
>
>> まず、ラストの解釈なのですが、3機のヘリコプターが向かう炎上す
>> る場所は間違いなく東京でしょう。先に「東京もここから近いもの」と
>> いう洞口依子の台詞があるのでそう考えるのが妥当です。であるならば、
>> 東京全体がどうして燃えているのか。破局の契機となる出来事は何か。
>> 映画中に提示されている、東京炎上を引き起こすほどの事件は、矢張
>> り第二のカリスマ(ただの枯れ木)の爆破だと考えられないでしょうか。
>
>森での出来事とラストをつなぐのは、ドラックに乗って頭にハン
>マーを「ぼかっ」と降り下ろしたりしていた(このシーン好き)
>一団で、炎上に直接手をくだしたのは山を降りた彼ら(+その他
>?)と考えれば理解しやすいような気がするのですが、これ以上
>はもう一度見直してみないとわかりません。
私も大ハンマーで処刑を行う、トラック上でベレー帽(?)を放り上げ
た一団の存在をどう考えるかは悩んだのですが、ラストで炎上する場所
との関連性は希薄だと結論づけました。
なぜなら、ラストで主人公(役所広司)が携帯電話で喋る相手は「お前
一体何をしたんだ」と言うのです。この台詞はどう考えても、炎上する
場所に対して「一体何をしたんだ」と言っているとしか捉えられない訳
で、と言うことは、本編上は、あくまでも、役所広司が引き金を引いた
事件で、あの場所が炎上しているのだと見なす必要があると思うのです。
(携帯電話の相手が、炎上の原因が役所広司であると、どうして判ったの
か、なんていう問いは、この際ナンセンスですよね。これは、あくまで
寓話なのですから)
と言う訳で、役所広司が字義通り引き金を引いたのは、第二のカリス
マの爆破以外に考えることが難しいと、私には思えるのです。
#この解釈で言えば、ハンマー処刑集団は、第二のカリスマを巡る闘争
の、混沌さを表現する一機能としか考えられないと私は考えます。
しかし、もう一度見直してみないと、判りませんね。
--
惠木
From: egi@sannet.ne.jp (Katsumi Egi)
Newsgroups: fj.rec.movies
Subject: ジャック・ウォーデン(Re: キアヌ・リーブス)
Date: Fri, 1 Dec 2000 23:11:21 +0900 (JST)
惠木@脇役ファンです。
#『リプレイスメント』は未見です。
タク・フジモトの撮影は相変わらず美しかったでしょうか。
In article <905p5o$gaq$1@nw042.infoweb.ne.jp>, fwjh2591@mb.infoweb.ne.jp
says...
>
>ジャック・ウォーデンといえば『ロッキー』ですが、シワシワになっちゃってて、で
>もエロ気はあるという役がはまってました。
『ロッキー』にウォーデンは出ていないと思うのですが、バージェス・
メレディス(ロッキーのトレーナー)と勘違いなさっているのでは?
ウォーデンで特に印象深いのは『天国から来たチャンピオン』(1978)
のアメフトのコーチ(監督?)役でしょうか。チャールズ・グローディン
とコメディ・パートを分け合っていた、という印象です。
あるいは『ジャスティス』(1979)の判事役か、『チャンス』(1979)の
大統領役か。
--
惠木
From: egi@sannet.ne.jp (Katsumi Egi)
Newsgroups: japan.movies
Subject: Re: めちゃ泣きたいっ!!
Date: Thu, 7 Dec 2000 22:42:10 +0900 (JST)
惠木と申します。
In article , junko-y@f3.dion.ne.jp
says...
>
>心に残るようなステキな映画があったら教えてください!!
私が生来見た映画の中で一番泣いてしまったのは、多分、
『わが谷は緑なりき』(ジョン・フォード 1941)だろうと
思います。
あらゆる感情(エモーション)を画面へ定着し得た、世界
映画史上最高の監督ジョン・フォードの、その至芸を見る
ことができるでしょう。
もっとも、フォード作品で『わが谷は緑なりき』と同じ
くらいのレベルの傑作は、たちどころに20本はあげること
ができますね。
--
惠木
From: egi@sannet.ne.jp (Katsumi Egi)
Newsgroups: fj.rec.movies
Subject: Re: 冬の映画
Date: Fri, 8 Dec 2000 18:46:43 +0900 (JST)
惠木です。
In article <90lhnn$mcb$1@news3.3web.ne.jp>, neteye@osk.3web.ne.jp says...
>
>「ファーゴ」「ホームアローン」「ダイハード2」
>「白夜」(ヴィスコンティの方です)「忠臣蔵」「雪の渡り鳥」「白痴」(黒澤作品
>です)・・・・・
>いろいろありますが皆さんはどんな映画がうかびますか。
雪景を舞台にガンマンと行きずりの母子を描いた股旅もの西部劇3作。
『シェーン』(ジョージ・スチーブンス 1953)
『ウィル・ペニー』(トム・グライス 1967)
『ペイル・ライダー』(クリント・イーストウッド 1985)
それから、1930年代40年代のスクリューボール・コメディやフィルム・
ノワールは、一部の例外を除いて冬のイメージがあります。
ルビッチの『ニノチカ』『街角(桃色の店)』やキューカーの『素晴ら
しき休日』、スタージェス『レディ・イブ』とかヒッチコックの『スミ
ス夫妻』。『拳銃貸します』『ローラ殺人事件』『三つ数えろ』等々。
主人公のコート姿がすぐに思い浮かびます。
次に日本映画から、衝撃のエンディングを持つ冬の映画を3つ。
『河内山宗俊』(山中貞雄 1936)
『乱れる』(成瀬巳喜男 1964)
『魚影の群れ』(相米慎二 1983)
あと、冬のイメージの映画しか撮らない、という変わった映画監督が
テオ・アンゲロプロスでしょう。『永遠と一日』の国境場面のシーケン
スショットの寒々とした事といったら!
--
惠木
From: egi@sannet.ne.jp (Katsumi Egi)
Newsgroups: fj.rec.movies
Subject: Re: 冬の映画
Date: Fri, 8 Dec 2000 18:55:13 +0900 (JST)
惠木です。
In article <90pvli$jj6$1@netnews.rim.or.jp>, h-kawai@st.rim.or.jp says...
>
>雪が降る季節にかならず思い出すのが、
>
> ジョン・ヒューストン「ザ・デッド」
『ザ・デッド』は素晴らしいです。ラストカットの荒涼とした冬景色!
「このカットで終わると最高なんだけどなぁ」と思いながら見ていて、
ばっちりそのカットで終わる映画がたまにあるんですけど(ほんのたまに
しかないんですけど)、『ザ・デッド』はその一本です。
ジョン・ヒューストンの遺作にして彼の生涯最高作ではないでしょうか。
--
惠木
From: egi@sannet.ne.jp (Katsumi Egi)
Newsgroups: fj.rec.movies
Subject: Re: 「慕情」
Date: Fri, 8 Dec 2000 23:00:12 +0900 (JST)
惠木です。
In article <90qlir$177e$4@news3.3web.ne.jp>, neteye@osk.3web.ne.jp says...
>
>敬して遠ざかっていたのですが
>せんじつBSでみたらジェニファー・ジョーンズ
>いいじゃないですか。
>ウィリアム・ホールデンもかっこよろしいです。
>香港の観光もできるし(笑)
この映画のラストについては、映画の中盤で誰もが予想できるだろうと
思うけど、一応、ラストに触れるので、お約束で改行。
『慕情』はとてもよくできたメロドラマだと思う。どうしてホールデ
ンとジェニファー・ジョーンズの2人がひかれあうのか、なんて説明は
一切なしで2人は恋に落ちる。ホールデンの死を物語半ばで誰もが予想
でき、予定調和的にラストを迎える。しかし、そんなストーリ的な凡庸
さが吹っ飛んでしまう程、撮影と演出が魅力的だと思う。
何よりもジェニファー・ジョーンズの「のぼせあがり」演技が素晴ら
しく可愛らしいし、二人が逢い引きする丘の、「斜面としての」撮り方
が見事。占いのシーンの、青と白の虫の面白さ。「爆弾の落下とホール
デンの死」を暗する、「鉢の落下と絵の具の赤」の演出の生真面目さ。
映画中3回出てくる、蝶の使い方の印象的なこと!
--
惠木
From: egi@sannet.ne.jp (Katsumi Egi)
Newsgroups: fj.rec.movies
Subject: Re: 救命士
Date: Sun, 17 Dec 2000 07:12:56 +0900 (JST)
惠木です。レンタルDVDで今見終わりました。
In article <90movc$pj9$1@nw042.infoweb.ne.jp>, eaaa8218@mb.infoweb.ne.jp
says...
>
>周辺の人からほとんど「面白くない」と言う答えが帰ってきましたが、
>確かに「面白くはない」映画でした。
とっても面白いじゃないですか。私は始終くすぐられてニヤニヤしな
がら見ていました。
撮監ロバート・リチャードソンの真上からの強烈な照明を使った撮影
(しばしば露光オーバー)や、夜の街を高速度撮影と微速度撮影を適所に
用いながらスピーディな編集で繋いでいくところや、音楽の使い方など、
実にパンチが効いていて、スコセッシ健在を印象づけられました。
ニコラス・ケイジの相棒となるジョン・グッドマン、ヴィング・レイ
ムズ、トム・サイズモアが皆それぞれ強烈な個性でいい仕事をしていま
す。とりわけ、ヴィング・レイムズがジャンキー達の手をとり、輪にな
って神懸かりの蘇生を装うシーンは笑ってしまった。
また、バルコニーの手すりに串刺しになった男のシーケンスも傑作。
手すりを焼き切る時の火花が打ち上げ花火にすり替わるというスペクタ
キュラーも素晴らしい。
充分に傑作と呼んでいい出来映えだと思います。
--
惠木
From: egi@sannet.ne.jp (Katsumi Egi)
Newsgroups: fj.rec.movies
Subject: Re: ジェーソン・ロバーズ 死去
Date: Sun, 31 Dec 2000 07:56:16 +0900 (JST)
惠木です。
In article <92jkd6$1k3d$1@news3.3web.ne.jp>, neteye@osk.3web.ne.jp says...
>
>「大統領の陰謀」「ジュリア」等の名優
>ジェーソン・ロバーズが死去しました。
代表作一本を上げるとするとやっぱり『砂漠の流れ者』(1968)でしょうね。
『ジュリア』のダシール・ハメット役もバッチリ決まっていました。ハメッ
トなんて顔写真も見たことないですが、もうロバーズがハメットとしか思え
ない。
私生活ではローレン・バコールのパートナーだった、ということもあって、
ハンフリー・ボガートの後を継ぐ渋い俳優として大好きな存在でした。
(バコールは、ボガートとロバーズの二人としか結婚していないのです)
ご冥福をお祈りいたします。
--
惠木
[2000年11月の記事へ]
[ホームページへ]
[2000年のサブジェクト一覧へ]
[2001年1月の記事へ]