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From: egi@sannet.ne.jp (Katsumi Egi)
Newsgroups: fj.rec.movies
Subject: Re: R.アルトマンの 『ロング・グッドバイ』
Date: 31 May 2000 15:00:15 GMT
惠木@『ロング・グッドバイ』大好きです。
#『マッシュ』はちっとも面白くないと思うんだけど...
In article <8h0jq6$sh0$1@meshsv230.tk.mesh.ad.jp>,
m-ishibashi@mtb.biglobe.ne.jp says...
>
>ISHIBASHIです。
>
>昨日ビデオで、R.アルトマン監督の『ロング・グッドバイ』を見
>ました。期待以上の出来でした。
>
>R.アルトマンの他の傑作と比較すると、佳作レベルに留まる作品
>かも知れませんが、物語中の突然の暴力シーンが凄く衝撃的です。
>あと、E.グールドのマーロウもやけにキマってます。
私はアルトマンの中でも傑作だと思いますよ。
特にヴィルモス・ジグモンドのカメラワークのグルーヴ感が
たまりません。本当に全てのシーンでカメラが漂っている。
アルトマン+ジグモンドなら『ギャンブラー』の中の驚異的
なズーミングが世評高いですが、私は『ロング・グッドバイ』
の浮游感の方が好きです。
(この浮游感はビデオではよく伝わらないかも知れません。)
ただし、マーク・ライデルが情婦をコーク瓶でいきなり殴り
つける暴力シーンはフィクスでしたね。殴った後、子分達が驚
愕して慌てふためく様が、また浮游するカメラワークに戻って
いる、なんていう呼吸は素晴らしいですね。
>『さらば愛しき人よ』のR.ミッチャムのマーロウも良いのです
>が、個人的な好みから言うとE.グールドの飄々としたマーロウの
>方が好きです。
>
>#『三つ数えろ』のボガートのマーロウは別格。
チャンドラーのマーロウ物は全て読みましたが、私の感覚で
言うと、マーロウのイメージならミッチャム。純粋に映画とし
ての面白さなら『三つ数えろ』か『ロング・グッドバイ』です。
ディック・リチャーズの『さらば愛しき...』はミッチャムに
頼り切った上に懐古趣味しか感じられない失敗作だと私には思
えます。
--
惠木
From: egi@sannet.ne.jp (Katsumi Egi)
Newsgroups: fj.rec.movies
Subject: Re: R .アルトマンの 『ロング・グッドバイ』
Date: 1 Jun 2000 22:57:29 GMT
惠木です。
In article <8h5ser$2ru$1@meshsv230.tk.mesh.ad.jp>,
m-ishibashi@mtb.biglobe.ne.jp says...
>
>惠木さんにとってチャンドラーのベストはどの小説でしょうか?
やっぱり私も「長いお別れ」が一番。次点が「大いなる眠り」かな。
さて『ロング・グッドバイ』の話をもう少しだけ。
この映画のエリオット・グールドは、多分、全てのシーンで煙草を
すっていると思うのですが、これだけ主人公が喫煙する映画は他に思
いつきません。
また、スターリング・ヘイドン演じる酔っぱらいの作家の素晴らし
いこと!魅力ある酔っぱらいの造形って映画史上沢山あると思います
が、『ロング・グッドバイ』のヘイドンは10傑に入る出来だとと思い
ます。
--
惠木
From: egi@sannet.ne.jp (Katsumi Egi)
Newsgroups: fj.rec.movies
Subject: Re: 愉快な米映画ベスト100(Re: 「お熱いのがお好き」)
Date: 21 Jun 2000 13:08:07 GMT
惠木です。
#フォードもホークスも、ルビッチさえ10傑に入らないなんて...
In article <394E45E1.1E979733@ceres.dti.ne.jp>, kwgch@ceres.dti.ne.jp says...
>
>もう一度整理すると、
>
> 1位 お熱いのがお好き
> 2位 トッツィー
> 3位 博士の異常な愛情
> 4位 アニー・ホール
> 5位 我輩はカモである
> 6位 ブレージングサドル
> 7位 M★A★S★H
> 8位 或る夜の出来事
> 9位 卒業
>10位 フライング・ハイ
> :
>27位 メリーに首ったけ
>
>うーん、いまいち基準がよくわからないです。腹の皮がよじれる
>ほど面白い、というのとは違うような。なんか上品過ぎるような
>気がします。チャップリンとかキートンとか、これも入れたい
>というのがあれこれ出て来そうです。
米国製コメディで一監督一作という制約を課して10本上げます。
『生きるべきか死ぬべきか』(ルビッチ)
『赤ちゃん教育』(ホークス)
『我輩はカモである』(マッケリー)
『周遊する蒸気船』(フォード)
『キートン船長』(キートン、ライスナー)
『素晴らしき休日』(キューカー)
『ハリーの災難』(ヒッチコック)
『いちごブロンド』(ウォルシュ)
『レディ・イブ』(スタージェス)
『ウェディング』(アルトマン)
#かぶったのは『我輩はカモである』だけだ... :-)
一時的な亡命者(ルノワール、クレール、オフュルス、ライン
ハルト等)のハリウッド時代の作品は意図的に除いています。
『踊らん哉』『雨に唄えば』『パジャマ・ゲーム』なんていう、
ミュージカルに分類されることが周知のことだけれども、最良の
コメディでもある、という映画が上がってこないのが残念です。
私見ですが、『お熱いのがお好き』よりも上等のコメディが、
ルビッチとスタージェスだけで10本は上がってもおかしくないと
思います。
--
惠木
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