舞台のようなセットの後景にレンガ造りの建物があり、その手前には足場が組
まれている(2階ぐらいの高さのところに足場板がある)。開巻時点で、白い服
を着た4人の労働者(レンガ職人)が映し出されていて、資材を運んだり、ロー
プを使ってバケツを足場の上に引っ張り上げたりしている。そこに、画面右から
2人の警官が登場するが、いきなり(理由もなく)4人の職人たちに資材で頭を
叩かれたり、白い粉(漆喰?)を上からかけられたり、はては足場の上から飛び
乗られて転がされるなどメチャクチャひどい扱いを受ける。
これは多分、軽業師の一座のコントをそのまゝ映した作品なのだろう。官憲を
馬鹿にするパターンのコメディだ。とても目に留まるキャラ造型として、警官の
1人が、かなりの巨漢なのだが、明らかに腹部に何かを詰めて(妊婦を作る時の
ように)、体を大きく見せているのだ。この警官が軽々と足場の上にロープで引
き上げられ、地上に突き落とされる部分など、面白い演出が多々ある。ただし、
職人と警官合わせて6人の人物や建設資材などが横に動いたり、地上と足場の上
を上下に動いたりと、複数方向の運動が同時に起こっていることもあって、かな
りカオスな画面になっている。元々のコント集団の持ちネタをそのまゝ撮っただ
けなのか、アリス・ギイのディレクションという要素もいくらか含まれているの
かは判然としないけれど、混沌を現出させる熱量には、ギイの特徴も感じられる。
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