トーマス・H・インスとの共同名義だが、フランシス・フォードの監督デビュ
ー作。いやこれもよく出来た西部劇だ。何が良いって、ほとんど総てのカットが、
画面手前と画面奥の2点(以上)に注目すべき被写体が置かれている画面なのだ。
つまり、徹底して奥行きが意識された画面造型。これってやっぱり、トーマス・
H・インスの特質のように思えるがどうだろうか。
例えばファーストカットは画面左手前に開拓者の小屋があり、右奥に坂道が小
高い山に続いていて、開拓者の男性が歩いて行くショット。小屋の前には家族。
犬も2匹ぐらい走り回る。続くショットが、砦の電信士・ボブ−フランシス・
フォードと指揮官の娘・エヴァ−アン・リトルを手前に置いて、その背後に騎兵
隊の兵士たちと、さらに奥には砦も見える画面だ。あるいは、丘陵地の手前に冒
頭の開拓者の男がいて、画面奥には乗馬して左から右へ駈ける10騎ぐらいの先
住民(スー族)の戦士が小さく見え、同一ショット内で開拓者はフレームアウト
する。次にファーストカットと同じ(画面左手前に小屋がある)構図で、画面右
上の山の上から手前に開拓者が走ってくるショットを繋ぐ。といったカタチで、
開巻から、ほとんど切れ目なく、徹底して奥行きを効果的に使った運動を見せる
演出が連打されるのだ。
そんな中でも、決定的な演出は、山の上から俯瞰で騎兵隊を見るスー族の斥候
を映し、彼は反転して部族にシグナルを送る(小さな鞍敷きみたいな布を振る)。
これに続けて、画面手前の平原にいる酋長ら数人のスーの重鎮を配置し、画面奥
の山の上に、豆粒のように小さく布を振る斥候が映っているショットで切り返す
のだ。このセンスには心底驚いた。
尚、上記のような、距離のある人物間の切り換えしは他にも数度出て来るけれ
ど(例えば、双眼鏡を覗く騎兵隊の将校のショットと、その双眼鏡で見たミタメ
ショットの切り換えしなど)、会話する複数人物を切り返すとか、あるいは、人
物をポン寄りで寄ったり、ポン引きで引いたりといった、同一空間内のカッティ
ングは本作ではない。
#ミルドレッド・ハリス(10歳頃)のデビュー作。開拓者の次女の役だろうか。
この約6年後(16歳頃)、チャップリンの最初の妻となる。
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