シマウマは黒地に白が正解というのは確か「ダーウィンが来た!」で云ってい
たと記憶する。さすがにダルメシアンは白地に黒(もしくは茶色)だろうと思っ
たが、調べると遺伝子的にはこちらも黒地(茶色地)に白なのだそうだ。
それはさておき、メッチャ綺麗な映画。画面が綺麗なだけで良い映画なのか?
もちろん良い映画だ。そう云いたくなるぐらいの美しさだと思う。特に、夜の動
物園内やエスカルゴと呼ばれる田舎の草原−カタツムリが沢山いる−の画面がい
い。また、凝りに凝った色遣いは誰もが感じるところだと思う。青い「ZOO」
のネオン管、赤白の規制線(テープ)。赤い帽子、赤いドレスの女性(看護師)、
緑のリンゴ。ピンクに統一された部屋とフラミンゴ、緑に統一された手術室なん
かもある。そんな中で、圧倒的なのは白と黒だ。本作の開巻は、ダルメシアンに
引っ張られる子供2人のショット。片脚を失ったヒロイン−アルバ−アンドレア・
フェレオルの白いベッドと白い寝間着。重要な生き物として、シマウマの他にも
白鳥がある。動物園にいる娼婦−ミロ(ヴィーナス)−フランシス・バーバーは
黒いスカートスーツ。両脚の無いアルク・アン・シェルと呼ばれる男−ヴォルフ・
カーラーは常に白のスーツだし、赤い帽子の看護師の下着は、白地に黒のドット
柄だ。
構図に関して、シンメトリー(左右対称)であることがよく指摘されるが、実
は画面奥の壁や窓、あるいは後景の建物だとか装置がシンメトリーに近いだけで
あり、画面手前も含めて云うとかなりゴチャゴチャした造型だと感じた。これは、
画面奥の壁や窓に対して垂直にカメラを向けて撮っているショットが多いことを
意味しており、この趣向自体、好悪が別れると思うのだが、途中で180度反転
した逆構図(ドンデン)を繋ぐ演出も多くあり、これには驚きがあった。
あるいは、シンメトリーに関しては、タイトル「1つのZと2つのゼロ」が表
している通り、1本と2本とか、一人の女と二人の男とか、2という数のモチー
フの1つとも思われる。双子の兄弟−オズワルドとオリヴァーが相似形の対(つ
い)になることで、面白い画面を作っている部分も多いだろう。
あと、移動撮影について。屋内でも多くの緩やかな移動撮影があり、何度も挿
入される、動物などの腐敗過程を固定の微速度撮影で見せるショットと対比が効
いて効果的だ。ただし、何と云っても良いと思ったのは、エスカルゴという名の
土地を舞台にした2つのショットだ。1つ目は、草原をゆっくりと左へ横移動し
て、小川を行く舟を画面に収めたショット。もう1つは、最終盤の、素っ裸にな
ったオズワルドとオリヴァーを回り込むように移動して、2人の上方から俯瞰で
見せたショット。
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