二軒長屋だろうか。隣り合った2つの家屋、家庭を主な舞台とする作品。2つ
の家族の構成を書いておくと、先に紹介される(家屋内も見せられる)のは、裕
福な(でもセルフィッシュな)初老の男性とその妻2人で住む家。もう一方は、
対照的に、貧しいけれど幸せな家で、父母と子供5人(女の子が3人と男の子が
2人)の7人家族だ。
開巻は裏庭側からこの2軒を引いて左右に見せたショット。子供の背の高さぐ
らいの位置にバルコニーのようなカバード・ポーチのようなスペースがあり、ポ
ーチにいる人物と、地上の人物とが、画面上下に存在しているショット。まずこ
の画面がとてもキャッチーだ。裏庭側から見ると、向かって左が初老の夫婦の家
で、右側が7人家族の家。これが、正面玄関側から同じように2軒を引いて撮っ
たショットになると、左右が入れ替わって見えるというのも(考えると当たり前
だが)、ちょっとした驚きがあり、面白く感じられる。さらに、この画面は、終
盤の吹雪の場面で(凄い降雪なので前が見えなかったといこともあるが)、ある
人物が間違った方の家に入ってしまう、という展開にも機能している。
また、本作もほとんど引いた固定ショットばかりの画面構成だが、父母が画面
右側でクリスマスプレゼントを準備している(子供たちの用意した靴下に入れよ
うとしている)のを、子供たち5人が部屋の隅(画面左端)からそっと覗いてい
るといった引いたショットから、子供たち5人だけのバストショットレベルに繋
いだカッティングには、目を瞠る効果があった。これと同じように、ラスト近く、
クリスマスプレゼントが渡された人物のミタメのショットで、メッセージタグの
付いたテディベア(熊のぬいぐるみ)がアップで映った画面挿入にも、そのメッ
セージ内容の不意打ち感も手伝って、軽い衝撃がある。
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