主要人物は2人−オーウェン・ムーアとメアリー・ピックフォードの夫婦(実
生活でも当時夫婦)。主な場面も大雑把に言えば2か所だけで、レストラン(酒
場)及び夫婦の自宅の一室だ。いずれもほゞ定点的なカメラ位置で(ほゞ同じア
ングルの固定ショットで)、人物はニーショットかフルショットで捉えられる。
あと、それぞれに建物の玄関前のショットはあり、人物の移動を表現する。
開巻はレストラン内。ムーアが女性とテーブルにいる。女性は浮気相手か。彼
は既にかなり酔っぱらっており、周りの客にも迷惑をかける。こゝに、自宅内の
妻−ピックフォードが椅子に座って少し居眠りするショットが挿入される(つま
りクロスカッティング)。次に、自宅に帰宅したムーア。泥酔している彼は何に
怒っているのか(用意されていた料理が気に入らなかったのか)傍若無人にふる
まう。画面左にある食卓の上の皿をひっくり返し、椅子を蹴る。今の言葉だと、
完全にDVと云っていいだろう。そして、画面右端のベッドで横になる。こゝで
暗転。「彼の夢」というインタータイトル(挿入字幕)が入り、カットが切り替
わると、室内を撮ったアングルはそのまゝで(画面右端にはベッドで寝ているム
ーアがいる)、画面左から正装した妻のピックフォードが現れる。今度は、彼女
が酒を飲み暴れまくるのだ。皿を蹴飛ばし、カーテンを引きちぎるのが凄い。
といった具合で、夢を介した夫婦の逆転劇の面白さを狙った作品だ。今見ると、
ありきたりな教訓劇でもあるのだが、それはそれとして、構図と編集という観点
でもう一つ書いておきたいのは、上で「ほゞ定点的なカメラ位置」と記した通り、
ワンカットだけ異なる構図のショットがあるということだ。それはラストカット。
自宅の一室での夫婦のツーショットで「夢の結果」というインタータイトルが出
た後、少し(と云っても明らかに認識できるレベルで)寄ったショットが繋がれ
る。インタータイトルが出なければ、はっきりとしたポン寄りのカッティングだ。
#J・ファレル・マクドナルドが出ているらしい。レストランの客の一人か。
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