マック・セネットが設立したキーストン社による第一回作品。10分にも満た
ない一巻物のコメディだが、メイベル・ノーマンドがセネットの彼女を演じてお
りヒロイン、途中から海水浴場を舞台として水着美女たちも登場するといったキ
ーストンらしい作品になっている。
開巻は庭のような場所で、くっついて会話しているノーマンドとセネットの腰
上ぐらいのツーショット。次にセネットが父母と会話するショットが繋がれるが
これも膝上ぐらいの3人のショットで、この時点で、人物への寄り気味の構図が
目に留まる。この後、勿論もっと引いたフルショットやロングショットも現れる
が、少なくも人物の会話シーンは、ウエストレベルのショットが多く、グリフィ
スの同時期よりも、人物に肉薄するショットが選択されていると感じた。
お話は、セネットのパパ−フォード・スターリングが「海水浴場へ行こう」と
云い出し、セネットは彼女のノーマンドに、パパを誘惑させようとする(彼女を
父母に紹介する前に、その魅力を分からせようとしたのか?)という展開。案の
定、パパはノーマンドにメロメロになってしまうのだ。
海水浴場に着いてからのシーケンスでは、レストランでの食事風景と、多分そ
の近くの野外、浜辺に近い更衣室、飛び込み台のある海岸などをクロスカッティ
ングで繋ぐ構成だ(セネットのママはずっとレストランのテーブル席にいる)。
この中で、何と云っても飛び込み台の各ショットが本作の一番の見どころだと思
う。これらは、飛び板に乗った人物を、横から撮ったショットで、画面奥の海に
は船が見えているという考えられた(よく準備された)ものだ。
尚、今現在見て笑えるというシーンはないが、飛び板の上のパパのアクション
が最もコメディらしい部分かと思う。セネット自身のアクションで笑わせる場面
は無い。あと、タイトルの「ニンフ(妖精)」は水着美女−ノーマンドの比喩と
いうことで間違いないと思う。更衣室から出てきた際は、肩飾りが付いている水
着だが、どうもそれは外せるようで、飛び込みシーンの彼女は、肩が露出してい
る。こゝで、飛び板の上の彼女を後方から撮ったショットに続けて、飛び板を真
横に撮ったショットを繋ぐカッティングがあり、全編でこの部分だけが、同一被
写体の空間を2つのショットに割ったカッティングだと思う。
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