ブランチ・スウィートをヒロインにし、南北戦争を舞台にしたグリフィスの短
編映画。これも2部構成と云っていいだろう。前半は恋人−チャールズ・ウェス
トを含む北軍兵士たちの出陣の壮行会(ダンス・パーティ)場面。後半は激しい
戦闘場面だ。そのいずれもが、ヒロイン−スウィートが住む一軒家とその周辺で
行われるというのが今見ると非常に奇異に思えるが(勿論、製作上の都合でこう
いうカタチになっているのだと思う)、同時にシュールでもある。さらに、スウ
ィートの家屋も玄関ドアを入ってすぐの一つの部屋しか出てこない(この部屋に
はバックドアがあり開けると戸外だ)。なんだか、この一部屋が戸外と隔絶した
異空間のようにとても感じられるのだが、実際、屋内シーンだけは都会のスタジ
オで撮影されたのだと想像する。
開巻はいきなりダンスする複数の男女の屋内ショット。一人の男性−ウェスト
の手を引っ張って戸外に出る女性がスウィートだ。2人は野原へ行ったり、また
戻って屋内に入ったり。こういった運動を、本作も律儀にフレームイン/アウト
を重ねて見せる。大勢の北軍兵士たちの行進のシーンになって、ダンスパーティ
は壮行会だったのかと合点する。部屋の中で悲しみにくれるスウィート。このあ
たりで既に、このスウィートの家は異常な空間に思える。完全に戸外と隔絶され
た感じがする。
「後日」と字幕が出て、家に恋人−ウェストが入って来、一時帰郷か?と思う
間もなく、家の前で敵−南軍との戦闘になる。これには呆気にとられる。石垣の
手前に北軍兵士たち、垣の向う、画面奥には見えない南軍兵という配置のショッ
トが反復される。戦闘に怖じ気づき、家の中に入って来るウェスト。それを笑っ
て見、ハッパをかけるスウィート。ほどなく、負傷した将軍が家に運び込まれる
ので、やむなく裏口から外にでるウェスト。勇気をしぼって、もう一度戦場へ。
仲間が死んでいく。北軍は弾薬や火薬がなくなってきた。さあどうなる?という
展開。この後半の熾烈な戦闘シーンは縦構図を意識したモブシーンが多く、画面
の見応えも充分だ。背景やロケ場所のチープさ、単純にヒロイックな人物造型な
どは難点としても、それでも全体に今見ても楽しめるクォリティを持っている。
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