舞台はまるで無国籍。山間をドローン空撮移動する。白い服を着た女性5人が
丘陵に立っている。日本っぽくない風景だ。続いて牢屋。男が2人。若い方が目
を覚ます。手も足もロープで括られている。斧を持った女性が来て首をはねる。
次にトレーラーハウス。こゝはシネスコを活かした画面だ。ラジオの英語ニュー
スで、エジプトから帰国した考古学者が行方不明になっている件。主人公はこの
トレーラーハウスの住人・タカ−ミネオショウ。管理人(大家)のオバサンは白
人で英語を喋る。家賃の催促と、封筒の手渡し。封筒の中身はカセットテープだ。
再生すると、お兄さんは猫を拾ったところに拉致されている。祀られている小箱
も取って来ること、という女性の声。
タカは自転車で出発するが、すぐに2週間後という字幕が入る。もう確信的に
いい加減さを志向している映画だと分かってくる。タカは大邸宅に入るが、誰も
彼に気づかない、早々に先のメッセージの小箱を手に入れる、というのもいい加
減。しかし、邸内の階段と螺旋階段は良い装置だ。階段の俯瞰。地下の牢屋で兄
(冒頭の2人の内の一人)−山中聡と再会する。タカはすぐに逃げろと云われる。
多分、すぐに邸の外を走るショットが繋がれると予想するが、的中してしまうの
だ。
そして、逃げたタカはどこかの屋内駐車場でホームレスのタケゾウ−松浦祐也
と出会う。さらに、ステーションワゴンの強奪と、ヒロイン−絢寧の登場。この
女優、青木柚に似ている。猫顔。といった具合で、主要人物が揃ってくる。この
後すぐのダイナーのシーンにおける、ローラースケートのウェイトレスが上手く
滑れない描写は、ワタクシ的には一番クスっとさせられた部分かも知れない。奥
の席でミルクを飲む絢寧。
さてさて、ファイトシーンはほとんど絢寧が受け持つのだが、ほゞフルショッ
トがない。ニーショットか、ウエストショットばかりなのだ。この見せ方ではア
クションのレベルが上手く伝わらないじゃないか。また、タカとタケゾウが勿体
ぶって武装するシーンが来て、やっとこの2人のまともなアクション場面が見ら
れるかと思ったが、やっぱりまともに闘わない。これにはイライラする。タカの
お兄さんの脱獄場面にもイライラする。猫は9回生きる、という理屈の都合の良
さ。敵のボスは車椅子で黄金銃という魅力的な設定なのだが、ボスを演じる女優
は、可愛いだけで、何ら機能しないのだ。それに、タカとタケゾウと絢寧の3人
がドライブするシーンでのスクリープロセス風合成処理は、外国の風景をバック
に使っていると思うのだが、なぜかワザとノイズを付加している。どうしてこん
な汚いことをするのだろう。というワケで、『ベイビーわるきゅーれ』に肉薄す
るレベルを期待していたが、足元にも近づいていない。逆に云うと、あのシリー
ズの出来の良さを再確認した。
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