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『GUNDA/グンダ』
(ヴィクトル・コサコフスキー,2020)

 豚舎の入り口に横たわる母豚。極めてゆっくり、画角を変えずに寄る画面(つ
まり前進移動撮影)。子豚が12匹ぐらい出てくる。生まれたばかりか、ヌルヌル
の個体も。子豚たちによる母豚の乳首の争奪戦。藁の下にいた子豚への情け容赦
の無い処置。こゝショック大きい。右前足が動かない子豚を追うカメラ。この後、
この個体がどうなったかが気になるが、出てこない。少し大きくなった子豚たち
は、8匹ぐらいだ。そういうことなのだろう。

 鶏舎、ケージから出る鶏。鶏の足の緩慢な動き。鶏って、やっぱり恐竜って思
う。こゝでも肢体不自由な(片脚のない)鶏をカメラは追う。フェンスの前で、
首を突っ込んで、向こうを見る鶏。

 牛舎から走り出る沢山の牛たち。ちょっと高速度撮影に見えるが、牛の歩様の
せいか?この後の、俯瞰画面はドローンだろう。牛はカメラ目線が多い。ハエ。
二頭で組んで、尻尾を使って互いの顔面のハエを追っ払う。これ面白い。鶏と牛
は、それぞれのパートのみ。母豚と子豚たちは、何度も登場する。全般にローア
ングルの横移動は、ステディカムか?GoProみたいなものか?これもドローンか?

 人もそうだが、余計な動物も映らない。序盤の豚と鶏のパートまで、ハエやア
ブも映らない、夾雑物を排したクリーンな画面に違和感を覚えた。CGでオミット
したのかと思いながら見た。ラスト近く、子豚は画面上から(いやそれ以上に物
語から)隠蔽される。これも人が関与しているからか(人を映さないためか)。
ラストカットも、豚舎の入り口のカットで、ファーストカットと円環となる。豚
の運動は、逆『捜索者』。映画においては、運動こそが、物語を作る。構図こそ?
カッティングこそ?全編劇伴なし。簡素なエンドロール。