ビッグネームの各女優とも、よくやるなぁ、と感嘆してしまうし、勿論、ダニ
エル・デイ=ルイスの魅力も女優達にイササカも負けていず、惚れ惚れしながら
見てしまえるのだが、いかんせん、基本ミュージカル場面のセットが一つ(大き
なクラブ風のプロダクション)、というのが弱い、というか画として面白みに欠
けるのだ。
ソロのダンス及び歌唱のパートだと、ペネロペ・クルスとケイト・ハドソンの
シーンが印象に残った。いずれもアクション繋ぎのカッティングに興奮させられ
る。クルスはドラマ部分も見せ場が多い儲け役。ハドソンは「シネマ・イタリア
ーノ」というエンドロール曲にもなる目立つ曲が与えられていて、ダンスシーン
も運動量の多い振付で、得していると思う。マリオン・コティヤールは主人公ル
イスの妻役なので出番が多く、一番綺麗に撮られていると思った。彼女の清涼効
果は大きいが、少々弱い造型だ。そう考えると、映画スターを演じるニコール・
キッドマンの扱いはカッコいいし、重要だろう。スクリプトが無い、と云って撮
影所を出てしまうが、ルイスはキッドマンをアルファロメオに乗せ、スクリプト
なんか誰も気にしてない。スクリプトなんか関心が無い、と云うのだ。夜の街の
坂道を歩いて行き、噴水前でやりとりする場面の照明がいい。結局、映画撮影は
頓挫し、セットを壊すことになるあっけなさ。
撮影が中断して2年後のシーン。ルイスが衣装担当のジュディ・デンチと浜辺
の道を歩くカットがとてもいい。後景に丘の上の沢山の家が映っているカット。
この後、チネチッタのシーンとなり、撮影が再開することになるのは、矢張り唐
突過ぎるのだが、スクリプトは書けたのだろうか、もしかしたら、このエピロー
グはルイスの幻影なのかも知れない、と思わせる。たゞ、そんなことを考えても
仕方が無いのだろう。本作全体が、夢想のようなものだからだ。ラスト、階段上
にスター女優たちが登場するが、最後にソフィア・ローレンが出て来て収まりが
つく。さらに暗転後のエンドロールの映像がカッコいい。もしかしたら、全編で
一番カッコいいのがこのエンドロールかも知れない。
|