タイトルのTは、Treasury。米国財務省を意味するとのこと。冒頭、財務省の
仕事を紹介する部分がある。本作は贋札偽造犯を追うシークレットサービスの話。
開巻シーンで、チャールズ・マックグローが、暗闇から、ヌッと現れる。彼は悪
役側でも、ボスに雇われている用心棒的な使用人ではあるが、本作の悪役の扱い
の中では、一番見せ場が与えられている。役人側、主人公は、デニス・オキーフ
が演じる。
オキーフは、相棒のアルフレッド・ライダーと共に、デトロイトからLAへと
潜入捜査を進めるが、中盤で、偽造犯一味の手掛かりのキーとなる人物として登
場するのが、スキーマー(策士)と呼ばれる男、ウォーレス・フォードだ。この
人、弱いくせに嫌らしいキャラが上手い。彼がサウナで、マックグローに襲われ
るシーンの情けなさがいい。このシーンのマックグロー、まるで、狂ったカーク・
ダグラスみたいに見える。この後、フォードが喋った情報によって、相棒が目の
前で撃たれる場面のオキーフの渋面の画面の強さも明記すべきだろう。他にも、
贋札の原盤を貼り付けてある洗面台の下から、オキーフとマックグローを撮った
凄い仰角カットなど、画面の強度は最高レベルだ。このような、パンチのある仰
角とアップカットが全編散りばめられている。プロット構成的にも、ボスの存在
の見せ方の妙や、ラスト近くの犯人側の裏切り等、なかなか捻って見せてくれる。
全体に良く出来た犯罪映画だ。
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