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『ANNA/アナ』
(リュック・ベッソン,2019)

 これも、小さなズーミングの寄りを度々挟んでくる。濫発というほどではない
としても。できれば、止めて欲しいと思いながら見たが、まだ許容範囲なのは、
多分、ほとんどが、登場人物のミタメ、つまり登場人物の注意の対象と、より近
くに見たいという意識を模した表現になっているからだ。例えば、モデル事務所
の共同経営者が、パーティの場面でアナを初めて見たときの主観ショットなど。

 さて、時間を錯綜させ、真実を種明かししていく構成はいいのだが、同一場面
を再度見せる際に、ほとんど同じと思しきカットを重複させるカッティングは、
かなり、かったるかった。日本のバラエティ番組で、CM開けに、CM前の場面
を冗長に繰り返すのと同じような感覚に思えてしまった。

 アクションシーン演出は、手慣れたもので、どれも面白い。ただし、なんかい
い加減に流して撮ったような発砲ショットは気になった。役者では、アナ役のサ
ッシャ・ルスは勿論だが、そのパートナーのモード役レラ・アボヴァが有望だと
思う。この二人のシーンは眼福です。