夜、ひらめく赤い旗。トラックの積載物の警告サインか。赤のサインについて
は、最初、妻夫木聡にまとわりついているのかと思った。例えば、2回登場する
コーク缶。彼の車のホルダーに置かれているのと、夏帆が妻夫木から電話を受け
る場面で飲んでいる。後半になって子供のカーディガンや、新潟の酒蔵のディス
プレイでも赤色が印象的に使われるので、ちょっと中途半端に感じる。雪の上の
出血は、直截的ではあるが。
全体に時間と場所が混乱する。冒頭の雪の中は、過去かと思ったが、次第に、
フラッシュフォワードだった、ということが分かってくる。雨の後のベッドシー
ンから、模型の家を二人で作る場面あたりも、時空が分かりづらい。谷崎の「陰
翳礼賛」、この使い方も効果的とは云い難い。最初に出された時はタイトルもよ
く見えないのだ。
妻夫木は、カッコいいようで、一貫性が無く、カッコ悪い。また、死にそうな
くせに、元気やん、と突っ込みを入れてしまう。夏帆も、キャラは分裂気味だが、
演者としてはとてもよく頑張ったと思う。柄本佑の使い方は贅沢とも云えるが、
前半の夏帆と遊ぶシーンは無かった方が良かったと思う。夏帆のキャラにとって
ノイジーだ。
終盤の葬儀場の場面。娘と間宮祥太朗。このシーンの演出は、ある意味凄い。
本作の一番驚かされた部分だ。それは、映画に対して極めて倫理的な演出なのだ。
こゝでエンドが良かった。この後のカットは、全部蛇足に思う。
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