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『JSA』
(パク・チャヌク,2000)

 パク・チャヌクはこの時点で既に、技巧的に凝りまくっており、それは、ちょ
っとやり過ぎかも、と思うぐらいだ。特に場面転換で顕著。映画が始まってすぐ
の時点で、紙資料をめくるのに合わせて(ワイプのように)、時空をまたぐ部分
から驚かされる。同じような感じで、カメラのティルトや上下動に合わせたワイ
プライクの場面転換や、マッチカット、例えば異なる場面の、銃を持つ手を繋ぐ、
屋根の真俯瞰から傘の真俯瞰へ繋ぐといった処理も目を引く。しかし、まあよく
見せてくれる。

 あと、題材からの要請であるからして、当たり前という気もするが、モノの交
換、授受、共有といたモチーフが沢山出てくる。思いつくままに列挙するが、地
雷の信管。銃。銃弾。タバコ。ジッポーのライター。手紙。犬。酒を酌み交わす。
唾の掛け合い。鏡で太陽の光を反射させて当てる。住所交換。記念写真。チョコ
パイ。夜の屋外で4人が子供のようにふざけ合って遊ぶカットの複雑な幸福感に
は涙が出そうになった。これも、精神的な交換を端的に表現した演出として胸を
打つのだ。

 さて、役者では、誰が見ても、ギョンピル中士(ソン・ガンホ)とスヒョク兵
長(イ・ビョンホン)の2人が映画を支えているのだが、あとの二人、ソンシク
一等兵(キム・テウ)とウジン戦士(シン・ハギュン)こそ愛すべきキャラクタ
ーだ。それだけに、事件の顛末に胸が痛む。さらに、時間の解体(シーンの組み
立て)によって、哀歓に増幅をかける。ただし、イ・ヨンエを投入した捜査シー
ンは、映画を弛緩させている。興行的な効果はあるだろうし、確かに目の保養に
はなるが、彼女の場面は押しなべてつまらない。ビョンホンとのハグも中途半端。