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『64-ロクヨン-前編』
(瀬々敬久,2016)

 ジジイも若手も役者は迫力芝居大会だ。迫力では、刑事部の部長の奥田瑛二、
県警本部長の椎名桔平あたりが見事。特に椎名はワンシーンだけだが、印象に残
る。赤井英和はミスキャストだと思う。

 この前編は、64事件に関する多くの謎や伏線を提示し、広げるだけ広げる部分
なので、矢張りプロット展開は面白い。サブのプロットである警務部と刑事部、
広報と記者クラブの確執といった部分でも緊張感を高めるのだが、交通事故の加
害者実名発表にまつわる部分、金井勇太−蔵前の、死んだ老人についての取材の
関連は嘘くさい。また、誘拐事件にまつわる描写だと、川を流れるスーツケース
を奪取するシーンは分かりにくい見せ方だ。あと、佐藤浩市と娘の芳根京子との
修羅場のフラッシュバックは鬱陶しい。回想シーンは、もっとサラッと処理すれ
ば良いのに、と思う。尚、原作は既読でした。