強烈な「老い」の映画であり、横臥の映画だ。それは勿論、チャールズ(プロ
フェッサーX)も体現するのだが、ファーストカットが車中で横になっているロ
ーガンであるということで宣言されるように、これはもっぱらローガンの老衰の
映画なのだ。彼は、登場から既に瀕死の重傷を負っているかのようだ。特に中盤
から後半は、横たわったシーンが多くなる。ただ、私は見ながら、かなり混乱し
た。なぜなら、衰えていようと彼は不死ではないのか。傷付けられても、驚異の
治癒能力で回生するはずではないか。この、作り手がでっち上げた所与の条件が
あるために、アクションシーンにおいても、どうしても生身の人間のような死活
のスリルを味わうことができなかったのだ。
また、本作は、横たわる場所としての墓所の映画だとも云えるだろう。墓地は
都合4回出てくる。初めてローラが登場する、ローガンとローラとの出会いのシ
ーンも墓地なのだ。
さて、追ってくる義手の男、ボイド・ホルブルックはなかなかいい雰囲気の敵
役だ。今後が楽しみ。あと、ロードムービーっぽくなってからの、走る車の中で
オシャレな縁のサングラスをしたローラのカットは単純に画的にカッコいい。逆
に、よろしくない点としては、ローラを連れてきた女のタブレット端末に格納さ
れていたムービーファイルを映して事の次第を理解させる展開はあまりに安易な
説明的演出ではないか。ローラが唖者として認識されていた、なんてのもアホか
と思う。
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