今見てもとっても面白い。美術の趣味はいいし、良いカットも沢山ある。(駄
目なシーンとの落差は激しいが。)中でもウルスラ・アンドレスの家をピーター・
セラーズが訪れ、BGMで「The Look of Love」の歌がかかるシーンが最も良いシ
ーンだろう。大きな水槽の向こうをアンドレスとセラーズが歩く超高速度撮影は
凄い感覚だ。
カジノシーンの後にカーチェイスと拷問シーンが矢張りあるのだが、この「心
の拷問」の処理−ネガ反転等の処理も意外と悪くない。今見ても独創性を感じる
ことができる。それにジャン=ポール・ベルモンドとジョージ・ラフトが登場す
るラストのハチャメチャシーンとその唐突な終わり方もトラブルが故の苦し紛れ
の措置なのだろうが、これも結果的には案外良いエンディングになっているのだ。
女優についてはマニーペニーのバーバラ・ブーシェ、デヴィッド・ニーヴンの
娘・マタ・ボンド役のジョアンナ・ペティットなど見せ場のある良い役だが、若
きジャクリーン・ビセットがワンシーンだけ登場し、これがなかなか雰囲気のあ
る良いシーンになっており清冽な印象を残す。あと、このデボラ・カーはいくら
なんでもやり過ぎな気がする。この人に余り思い入れはないが。
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