とりわけ美しい空を見られることが忘れ難いカラー西部劇。美しい空が見られ
るから西部劇は好きだ。青空の下、荒野を駈歩で行く画面の快楽。
この映画はよく講談調だと云われるが、荒野の移動シーンにフランキー・レイ
ンの説明的な主題歌が流れる部分だけを云っているに過ぎない。ドラマ部分はダ
ラダラしており締まらない。ジョン・スタージェスのドラマ演出はいたって陳腐
だ。特にワイアット・アープとローラ(ロンダ・フレミング)との恋愛に関する
納得性の無さ。女性の描き方についてはジョン・スタージェスの限界を露呈する。
ケイト(ジョー・バン・フリート)の気持ちの変転に関する描きこみも荒っぽい。
彼女の陰鬱さの表現はとてもインパクトがあるのだが、却ってスッキリした活劇
性を阻害している。アープとドク・ホリデイとローラとの三角関係的危うさも最
初は期待させるのに後が続かない。
それでもラストの決闘シーンはなかなか見せてくれる。OK牧場の空間描写は
悪くない。小さな橋と溝(?)の使い方が良い。馬車の幌と繋がれた馬を使った見
せない演出がもう少し動的な画面として提示されていてば尚良いとは思うのだが。
また若々しいデニス・ホッパーの役回りは1950年代後半の西部劇らしい複雑性で
映画に奥行きを与えているが、見方によればこれも活劇性を阻害していると云え
るだろう。
|